くだらないストーリー 寝たのは深夜三時過ぎだった。 また自分を傷付けて、それしか出来ない自分に嫌気が差した。 心も身体もヒリヒリする。 自分のしていることを否定する奴を見つけた。 はっきり悪いと、止めるべきだと言い放っていた。 余計な世話だと思う。 確かに大勢の人にとって好ましいことではないかも知れない。 でも、だからと言って全員に当てはまる訳がない。 現に此処に異議を唱える人間がいるのだから。 ある人にはマイナスになることでも、ある人にはプラスになる。 社会ってそうやって成り立ってるんだろ。 わたしの場合、もしそうしていなかったらもう此処にいないだろう。 誰に何を言われてもそれが自分を落ち着つけてしまうから。 「ちょっとアンタ何時に学校行くのよ?」 朝。七時過ぎ。 母親の声が頭に降り注ぐ。 ガンガンする。 「…煩ェよ」 「煩いじゃないでしょ!昨日頼まれたことちゃんとやってよね!」 そういえば、調べごとを頼まれていた。 近頃、他人から頼られるのがひどく億劫だ。 嫌だとは思わないが、あまり関わりたくない。 八時過ぎに起き出して、適当に調べてプリントアウトした。 文句を言われても知らんと、半分投げ遣りに。 その後は暫らく母親の愚痴に付き合わされた。 聞いててつくづく感じるのは、我田引水の考えと過保護な教育。 言っちゃあ悪いが、よっぽどわたしの方が常識人だと思う。 授業は2限からだった。 とりあえず、いつもより多少遅いがそれなりの時間に家を出た。 でも、2限の授業に出る気は更々無かった。 外は、少しだけひんやりしていた。 最寄駅で降りて、ダラダラと大学への道を歩いてやった。 中途半端な時間帯からか、あまり人は見当たらない。 本来、この街中には音楽など流れてはいない。 だけど、今この街中はそれに彩られている。 わたしの両耳だけに響く、小さな機械が流すお気に入りの音楽。 歩きながら色々なことを考えた。 これからの人生をどう生きようか。或いは、リタイアしようか。 生きるのならば、卑小な人生は嫌だ。 自分のしたいことも満足に出来ず、社会に利用されて終わるのは嫌だ。 リタイアするのならば、まず貯めた金を使い果たそう。 家族や親戚、友達に出来るだけのプレゼントを買っておこう。 そして、感謝の気持ちをしたためよう。 3限はどうしようかとふと思い出した。 大体やることは毎回同じだから分かっている。 でもその前の昼休みはどうしよう。 先にホールに行ってみんなのために席取りした方がいいのかな。 こんなことしてていいのかな、そう思った。 なんで。 最近は凄く焦っている。 このままズルズル行って知らない内に在り来たりのライフスタイルにハマって。 そんなの嫌だ、そう叫んでる自分が見える。 でも何の打開策も持ち合わせてないから、どうしようもない。 無力な自分が残るだけで苦しい。 切羽詰って苦しくなって辛くなって、きっとまた―――。 傷口が疼いた。 ケイタイが小刻みに震えていた。 (…メール?) また、授業をサボったから友達からのお咎めメールだと思った。 憂鬱になりつつ開いた。 『おはよう。今日の空、めちゃくちゃ綺麗だね?』 違った。 思わず、一笑した。 「…何だよこれ」 携帯を握り締めたまま、空を見上げた。 太陽の光に少し眼を細める。 空は青く澄み渡っていて、見上げたところには雲ひとつ無かった。 冷たい空気が空の青をより引き立てた。 「変な奴…」 ケイタイの画面に視線を戻して、呟いた。 返信する。 『どしたの急に(笑)でもまぁそうだよね。記念写真撮っとけば』 送信完了。 余裕がなかったんだ、心に。 空を見上げる余裕さえも無かったんだ。 コンクリートしか見えていなかった。 だから、ずっと俯いてた。 久しぶりに首をもたげて空を仰いだ気がする。 ただ純粋に、気持ち良かった。 少し、上を向いて歩いてくよ。 涙が流れるといけないから。 そして、頬を伝ってしまった涙が早く乾くように。 今日は、もうちょっと頑張れそうな気がします。




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